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【現場から第87回】手放すことを考えながら仕事をする

 小さな企業で新しいことを始めるとき、社長や幹部の力は大きな原動力です。

 モチベーションが高い方が多く、強力な推進力となって物事を進めていくことができます。

 

 そうして成果を出す方も多いのですが、継続力に難があるのが課題です。

 

 というのは、そうして始めて出来上がったものの多くが、実行してきた人(社長や幹部)しかできない業務になっているからです。

 実施者の感覚で成り立っている業務。実施者しか分からない情報で成り立って業務。そもそも実施者以外手順も分からない業務。

 

 場合によっては、社長は好きで夜中の11時から2時くらいまで毎日やることで成り立っている成功もあります。

 毎日3時間、今の業務に追加して対応できる従業員はなかなかいないと思います。

 

 こうして特定の方しかできない業務は、いつまで経ってもその人から外せなくなります。

 だんだんとその業務が重しになって他の業務に支障が出てくるか、実施者が関わり切れなくなって衰退していく会社が多いです。

 

 こうした状況を防ぐには、ある程度成功の目途が立ってきた段階で、「手放すことを考える」必要があります。

 自分がやっているやり方は、あくまでもイレギュラー対応であることを自覚し、他の誰かに引き継げるようになるにはどうすればいいのかを考えることです。

 

 多少サービスレベルは落ちるかもしれないが、この作業を除くことで時間を大きく削減できる。

 他の人が担当できるように、やり方を分かりやすく変える。

 マニュアルを整備する。

 

 など、誰かに引き継ぐことを前提にすることが大事です。