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【経営コラム第87回】売れないではなく、買えないという問題

中小企業の販売でよくある話をお伝えしておきます。

それは、「売れない」ではなく、「買えない」という問題です。

 

当たり前ですが、売り手は自分のことをよく知っています

あなたが小売店を営んでいれば、どんな商品を扱っていて、どこの売場のどの陳列棚に何が置いてあるかを大体把握しているはずです。

毎日現場で仕事をしているのだから当たり前に考えていると思います。

 

しかし、お客様は違います。

週に1回、ひと月に数回、場合によっては一生に一度しか来店しないケースもあります。

どこに何が置いてあるかなど、いちいち把握していません。

 

仮に毎日通う常連客でも、毎日毎日開店から閉店まで居座る方はまずいないでしょう。だから、お客様はあなたが思っているほどお店や商品のことを知りません

 

「売れない」というのは、お客様が対象商品やサービスを認識したうえで「買わない」と判断することです。

 

お客様が対象商品やサービスを認識していなければ、そもそも「買えない」状態です。この違いが分からずに、「売れない、売れない」と言われてもお客様は困ります。そもそも知らないから。

 

10年以上おつき合いのあるお客様に、「あなたのところはそんな仕事もしていたんですか。これからは水回りもお願いします。」と言われた工務店があります。

 

「ここは花束も作ってくれるんですね」と馴染のお客様から言われた花屋があります。

 

社長や従業員は、お客様が当然のように自分達のできることを知ってくれていると思っていました。

  

あなたの会社、お店は「買えない」状態にないですか?