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【現場から第61回】多ければ良いというものではない

 

 自社の実績を知ってもらうとき、数字で表すことがよくあります。

 〇件の施工実績がありますとか、●人の合格者を出しましたとか。

 街を歩くだけでも、相当の数字が目に入ってきます。

 

 ここで気をつけて欲しいのは、数字が多ければ良いというものではないということです。

 

 何年か前に同業の後輩と話をしていたときに、その方のプロフィールを拝見しました。

  

 そのプロフィールに書かれていたのは、これまでに300社以上の中小企業に関与した実績があるというものです。

 問題はこの方の業歴です。異業種でサラリーマンをしたのち、創業してから3年位の方でした。

 

 3年で300社ということは、1年で100社です。

 3日に1回新しい企業に関与しなければいけない計算です。

 

 しっかりと中小企業に向き合えば、少なくとも半年以上の付き合いになります。

 たった1年で100社もそのようなお付き合いはできません

 

 この数字からは、1社1社とあまり深いお付き合いをされていないという印象を受けました。

 大きな数字に惑わされず、どんな関与をしているかが大事です。

 

 ちなみに私個人でも、公的支援機関での相談やセミナー・研修等を含めれば年間100社以上は関与しています。

 ただ深いお付き合いをしている数になりますと、現時点で98社しかありません。

 大体10年位やっていますので、110社あるかというところです。

 

 数字を書くときはついつい大きく書きたくなりますが、それが逆効果ではないか。

 数字を見るときについつい大きな数字に目がいきますが、それが何を意味するか。

 

 よく考えて判断したいものです。