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【現場から第49回】退職者が出ることは悪いことか

 

 ある社長からお電話をいただきました。

 

 内容は、退職を希望する従業員が現れたのだが、今年で3人目になった。

 こんなに退職者が出てうちの会社は大丈夫か心配だということでした。

  

 この会社には3年前から関わっていますが、当初は厳しいものでした。

 社長が優しいことを良いことにわがままな社員が多く、平然と全体のルールを破る方がいました。

 

都合の悪いことは社長に報告しない。

 やりたくないことはやらない。

 面倒なことは他の人に押し付ける。

  

 文句を言った者勝ち拒否した者勝ち「個人特別ルール」が蔓延していました。

 結果的に、大人しい従業員、まじめな従業員にしわ寄せがくる状態でした。

 

 この会社で行ったことは、この「個人特別ルール」を排除していくことでした。

 

 報告をしない場合は注意して改善を促す。

 やらない場合も注意して実施するよう指導する。

 他人に押し付けることはNG。

 

 いったん、過去の評価は無視してきちんと指摘や指導を繰り返すようにしました。

 そして、その結果を見て評価を行い待遇にも差をつけました。

 

 きちんとやる人は評価され、やらない人の評価を下げるという当たり前のことを実施したのです。

 

 こうした状況の中で、

  元からまじめにやっていたので報われた人

   反抗的だったが、やれば報われることを理解して協力的になった人

   変わることができず、個人特別ルールを維持することに躍起な人

 というように、社内に変化が起きていきました。

 

この会社で続出した退職者というのは、わがままが通らなくなったことで居心地が悪くなった人達だったのです。

 退職を勧めることはしませんが、わがままが通らないなら辞めるという方が去っていくのは仕方がないことです。