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【経営コラム第48回】意識してどうにかなるものではない

 

 よく社長は、「意識」という言葉を使います。

 

 問題意識、当事者意識など、何かと意識を持てという方がいます。

 近い言葉に、「気づけ」というものもありますが、こちらも頻繁に使われています。

 

 意識してできるものだったら苦労しません

 気づけと言われて気が付くのであれば、とっくに上手くやっています。

 

 指導の際に大事なことは、具体化することです。

 そのため、現場では2つの禁句があります。

 

 上司の「気づけ」と部下の「頑張ります」です。

 どちらも抽象的な言葉です。

  

 「気づけ」と言えば指導した気分になりますが、具体的に何をどのように気づくのかを具体化しなければ、また同じ失敗をするでしょう。

  

 「頑張ります」と言えば次に期待できる気分になりますが、具体的に何をどのように頑張るかを具体化しなければ、また同じ結果になるでしょう。

  

 具体的に教えれば、その点についてはできるようになります。

  カンのいい人であれば、応用を利かせることもあるでしょう。

 

 そうして、具体的にできることが増えると、いわゆる「気づく」ことができるようになります。

 

 余談ですが、よく「気づけ」とおっしゃる社長に限って、家で配偶者に「気づいてよ!」と怒られています。

 それに対する社長の答えは、「気づけと言われてもわからないわ!」でした。

 

 従業員も同じことを感じているかもしれません。