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【経営コラム第45回】良い状態と悪い状態

 人には良い状態と悪い状態があります。

 

 真面目にコツコツされる方は、良い状態のときにはチェック役としてミスを発見してくれる頼もしい存在かもしれません。

 一方、悪い状態のときには融通が利かず、細かなルールを持ち出して煙たがられる存在になるかもしれません。

 

 良い状態のときには柔軟性があり、悪い状態のときには大雑把という人もいます。

 

 その人の性格やこだわりが良い方に出るか、悪い方に出るかの違いです。

 

社長は、自分の良い状態と悪い状態を把握しておくことをお勧めします。

 特に、悪い状態はどのようなものか、そして悪い方に出るときの条件は何かを把握しておくことです。

 

 とても面倒見が良く、温和な社長がいました。

 いつもニコニコとしており、率先して従業員とコミュニケーションを取り、困ったことがあれば助けてくれる良い方でした。

 

 しかし、従業員の定着は良くありませんでした。

 

 社長には集合時間に対する強いこだわりがありました。

 

 そのため、集合時間に遅れそうだと感じると、とてもイライラします。

 そしてそのイライラをそのまま従業員にぶつけてしまうのです。

 

 普段の優しく気さくな社長からは想像もつかない、様子に従業員は委縮してしまいます。

 

 集合時間に間に合うことは大事ですが、そこまで怒ることはないのに・・・

 そうして、従業員は社長を避けるようになりました。

 

 こうした悪い状態を自覚しておかなければ、普段がいくら良くてもマイナスにしてしまう方がいます。

 

 悪い状態を自覚し、その条件を知っておくことで、防げることもあります。