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【経営コラム第40回】評価は具体的に

   

 人事評価制度を導入している会社はたくさんありますが、上手く機能している会社は少数派です。

  

 大きな原因の一つに、従業員に対する観察不足というものがあります。

 観察が不足しているので、評価できる材料が少なく、従業員の不満につながります。

  

結論から申し上げますと、人事評価は毎日、従業員を観察するくらいの覚悟がなければ機能しません

 

 しかし、多くの評価者は面談の直前期になって、あわてて内容を読み返して評価していきます。 

 そのため、直近の出来事や印象に残ったことに評価が左右されることが多い

 彼は最近トラブル続きで上手くできていないと評価者が思い込みます。

  

 一方、本人は半年なら半年、どのように頑張ってきたのかをイメージできています。

  後半はトラブルが続いたが、前半は我ながらよくやったと本人が感じています。

 

 このギャップが不満のもとになります。

 

 そこで、請求書・領収書ゲームと同じように評価者が記録を取っておくことが必要です。

 何月何日にどんなことをしてくれたのかメモを残しておきます。

 

 良かったことは、プラス評価やほめる際の根拠になります。

 悪かったことは、マイナス評価や指導の際の根拠になります。

 

 とはいえ、実際にやっていただくと、粗ばかり気になるようで悪かったことはどんどん増えていきます。

 これでは気がめいってしまいます。

 

 そこで、11個は良かったことをメモしてください。

 小さなことでも構いません

  

 掃除を率先してやってくれたとか、荷物を運ぶのを手伝ってくれたとか。

 小さなことでも記録してください。

 

 このメモは、具体的な指摘ができるようになること、そして従業員をポジティブに見るための訓練にもなります。