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【歴史に学ぶ第41回】抜本的な解決にならないワケ

  

 自社の置かれた状況にマッチしなければ、解決策の効果はありません。たとえ短期的に効果が表れたとしても、抜本的な解決には至らず、しばらくすると元に戻ることがよくあります

 

 他所の会社の良いこととされる方法を無暗に取り入れても上手くいかない会社がほとんどです。自社の状況に合わせて選択、あるいはカスタマイズする必要があります。

 

 強権を用いて大改革を行ったスッラが築いたシステムは、彼の死後に崩壊します。

 それも、反スッラ派が強かったわけではありません。

 

 スッラが守り補強した共和政は、かつて巨大なカルタゴを打ち破るのに大いに役立ったシステムでした。

 しかし、ローマの領土が広大になると当時のやり方では何かと不具合が生じます

 

 一例として、共和政は独裁を防ぐため、軍団の指揮官の任期を1年としていました。

 しかし、イタリア半島とその周辺だけで済んでいた昔と違い、遠征先が遠くなるほど交代は容易でなくなります。

 

 こうした実態に合わないシステムは、例外が設けられ、それが当たり前になり、システムとして成り立たなくなります

 

 スッラの様な優秀で迫力のある人間が目を光らせていなければ、すぐに崩壊する者でした。

 

 スッラは、ローマに起きた様々な問題は、共和政が上手く機能していないためと考えました。共和政がしっかりと機能すれば、もとのように強いローマになる。

 

 しかし実態は、共和制というシステムがローマの拡大という環境変化に耐えられなくなったことが真因でした。

 

  

   

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ローマ人の物語(7)ー勝者の混迷(下)(新潮文庫) 塩野七生著