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【現場から第34回】まずデータを収集する仕組みが大事

  

 ある製造業のお客様から、返品の原因を分析して改善したいというご相談をいただきました。

 こうした分析を行う場合、一番大事なことはデータ収集の仕組みを構築することです。

 中小企業において情報というのは社内に散逸しており、なかなか一か所に集まらないことが多いです。

 

 加えて最初からいきなり細かなデータを取ることを考えて、体制構築を目指せば早々に動かなくなるのは目に見えています。

 

 スタートの段階では、シンプルかつできる限り手間がかからないことです。

 まずは返品の発生状況を把握できるように考えました。

 

その方法は、返品の9割以上が郵送や宅配便で戻ってくることに着目しました。

 

 封筒や宅配便の伝票をどこかBOXにまとめれば、発生件数が把握できます。

 消印からはおおよその発生時期が把握できますし、何よりも住所と相手先名が書かれているので、受注データと照合すれば詳細に追跡することも可能です。

 

 こうして返品の大まかな状況が把握できます。

 これを閑散期に受注データと照合することで、分析も可能になります。