会社では経営資源が重要ですが、今ある資源の強さだけではなく補充可能性も重要なポイントです。今は良くても、代わりが無ければ中長期的には難しいでしょう。補充できるスピードとレベルが重要です。
スピードはどれだけ早く補充できるかです。レベルは調達できる水準です。
危機を乗り越えたローマは、偶然の事故が原因で南イタリアのターラントと戦争になります。
ターラントは、当時の地中海世界で最も高名な武将をスカウトします。ギリシア北西部にあるエピロスの王・ピュロスです。
ピュロスは嵐で損害を出しながらもターラントに向かいます。
しかし、要請をしておきながら当のターラントは臨戦態勢とは程遠い状態です。
約束していた準備は何もしていません。市民は劇場や体育館で日常生活をおう歌しています。
口先では大層な約束をするが、何もしないのがターラントです。結局他人任せです。
こんな人は今でもいますね。
怒ったピュロスは自分の手勢だけで戦うことを決意します。
ピュロスとローマ軍は激突します。ローマ軍は7千を数える死者を出して敗走しました。しかし、ピュロス側も4千の戦死者を出しています。
ローマは本拠地にいるので素早く、かつある程度の質とモチベーションが高い兵を補充できます。
ピュロスは、勝利によりローマに不満をもつ人々が志願兵として参加しました。スピードはローマと互角です。しかし、戦死したのは本国から連れてきた精鋭。ピュロスに対する忠誠心も高い兵です。レベルにおいては志願兵では代替できるものではありません。
こうした補充可能性がローマとピュロスの命運を分けることになります。
(参考図書) 持ち運びしやすい文庫版がお勧めです。
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・ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) (新潮文庫) 塩野七生著