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【経営コラム第23回】購買履歴

 ABC分析で重点顧客を絞った後によく行う手法です。
 特に難しい手法ではなく、例えば特定の商品について分析する場合、その商品を誰がいつ購入したのかを時系列に並べるだけです。
 
 こうすると、鈴木さんが前回3月に購入しているからそろそろ注文があるな、とか前田さんは毎年8月に注文をくれるからそろそろ声掛けをしておこう、といった対応が取れます。これは非常に重要です。
(購買履歴分析の例)
 商売は汲むより漏らさずといいます。
 1対5の法則という言葉を聞かれたこともあると思います。
 新規顧客の獲得は既存のお客様の5倍のコストがかかるという法則です。
 新規顧客の獲得につい目が行きがちですが、既存のお客様をしっかりとフォローすることが重要です。
 ある小さな印刷会社の例ですが、毎年決まって春先にある程度まとまった部数の印刷受注がある学校がありました。
 毎年決まっていたので誰も注意を払わなかったのが大失敗でした。
 夏場に初めてこの購買履歴分析を行ったところ、その学校からの発注がなかったのです。
 あわてて担当を通じて確認したところ、備品担当の先生の異動があったそうです。
 このとき先生間の引継ぎが上手くできておらず、後任の先生が、適当に調べて別のところに注文してしまったそうです。
 もし、購買履歴をキチンと読み込んで3月あたりに声をかけていれば防げたかもしれません。