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【歴史に学ぶ第4回】多様な価値観を受け入れる土壌

  

 創業期は同じような価値観を持った仲間達で構成されていますが、人数が増えてくると様々な人が増えてきます

 しかし、社長や古くからのメンバーが前からの価値観を振りかざすことで新しい人が嫌になりある規模から人数が増えない会社をよく見かけます。

 

 創業者ロムルスの後、二代目のヌマは内部体制を整えていきます。

 その中でも特に大きな改革として、宗教を整備しました。その中で、神々は指導原理ではなく心の支えと位置付けました。

 

 日本人は多神教国家であるため、日本人と同じような考え方にしたというイメージです。

 「神様がこうおっしゃっているからこうしなければならない」という価値観ではなく、受験生が神社にお参りして「合格させてください」とお願いする感じでしょうか。

 

神々を指導原理にするとリーダーは楽です。「神様がこうおっしゃっている」とメンバーの行動を制限できます。しかし、同じ宗教を信じていない他者を排除しやすくなるというマイナス面も大きい。

 ローマは宗教という価値観で縛れない以上、法という価値観を共有していない人の間でも効力を発揮できるシステムを必要とするようになります。

 

 会社でも、色々なバックグラウンドを持つ人たちが同じ場所で働いています。特定の信条を共有しているメンバー間は連携がしやすいですが、そうでない人とは対立しやすい。

 

 価値観をルールにすれば統制は取りやすいですが、その価値観を共有できる人しか入れなくなってしまいます。

 どちらが良いというものではありませんが、ある程度の組織的規模を目指すのであれば、多様な価値観を認める組織作りが必要でしょう。

 

 

(参考図書) 持ち運びしやすい文庫版がお勧めです。

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ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず() (新潮文庫) 塩野七生著