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【歴史に学ぶ第3回】二代目の役割はシステム化

 

 創業者は強烈な個性と能力だけでまとめ上げますが、組織が安定するには力だけでまとめられた集団を、システム化し組織にする二代目が必要です。

 

 初代ロムルス死後、後継者についてもめ事が起きました。ラテン人は再び自分達から王を選びたい。サビーニ人は今度こそは自分達から王を選びたい。

 そのような中で招聘されたのが、サビーニ人のヌマでした。

 

 彼はローマに移らず先祖代々の地にとどまっており、人間性と教養の高さはローマにも聞こえていました。どちらの派閥にも属せず、どちらからも認められる人物を招聘することでお互いの納得感を得たのだと思います。

  

後継者選びは、みんなが納得感を得られる人物が選抜されるのが望ましいです。会社で子供や親族が有力な選択肢になるのは、この納得感です。

 

色々言いながらも「息子だから」と思える人は多い。逆に「鈴木さんが優秀だからふさわしい」と皆から思われる人より、「鈴木よりも私の方が」と思う人の方が多い。誰からも認められるというのは本当に難しいです。

 

  ヌマは武力重視だったローマに、秩序を与えました。創業期は実力主義で超法規的措置の連続になります。

 しかし、それだけでは限界があります。その人がいなくては対応できない組織というのは先がありません。ルール作りや内部の安定化が必要な時期が来ます。

 ローマはシステム化を行う二代目に恵まれました。

 

 

(参考図書) 持ち運びしやすい文庫版がお勧めです。

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ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず() (新潮文庫) 塩野七生著