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【経営コラム第18回】数値は傾向で見ること

 数値のデータを見るときには、傾向を見ることが重要です。
 単体の数値だけで良し悪しの判断が難しいからです。
 例えば、ある年の経常利益が100万円とします。
 物足りない成績ですが、万年赤字から脱却した企業であればどうでしょうか。
 良いとはいえませんが、悪いとも言い難い。
 場合によっては「よく頑張った」と言えるかもしれません。
 
 逆に、経常利益が1,000万円だったとします。
 しかし、3年前は2,000万円だったのに、年々減少しているとすれば対応を考えなければなりません。
 
 このように、会社の状況は数字単体の大小だけでは判断できないことがあります。
 
 また単純な良い悪いではなく、意図した数値であるのかも大事です。
 台風の被害を受けて修繕費が大きく増えた。
 知名度向上を狙って集中的に広告を出した。
 ○○の案件があって売上高が増えた。
 
 こうした数字が動いた要因を把握しておくことが大事です。意図した動きであれば増減に問題はありません。あとは費用対効果の問題です。
 よく分からないが売上が伸びているから良いかではありません。
 伸びた原因を深掘りすれば、さらに伸ばせるかもしれません。
 
 よく分からないけど費用が増えている。
 これは最悪でしょう。
 
 会社の数値については傾向とその原因をおさえておく必要があります。