経営の中では、「今は決めない」という決断も重要です。
判断するための情報が少ないときは特にそうです。
まずは情報を集めて現状を確認する。
仮定の仮定で話をしていても意味がありません。
分からないことをうだうだと考えるのではなく、妥協した決定を下すのでもなく、「今は決めない」とやるのです。
その代わりに期限を切ります。
決めた期限に意思決定ができる状態にするためには、どんな行動が必要かを段取りしてください。
単に先延ばしをするだけでは、その期限が来てもまた決めることができない状態になります。
ある製造業で取引先からの問い合わせが多く、営業担当が多くの時間を取られていました。
社長は、これだけ大変な先だから今後の取引を減らしていこうかと考えていました。
そこでこの取引先を減らした際の影響を調べるため、当社における取引先別の利益率と利益構成比を確認しました。
すると、利益率は当社取引先の中でもトップ3に入り、利益構成比も高い割合を示していました。
「むしろ、しっかりと対応していかないといけない先だ」と感じた社長と営業担当は、この取引先への対応方針を転換しました。
このように、現状を知らずに感覚だけで話をしていると、思わぬ判断ミスを起こす可能性があります。
何でもすぐに決断をしなければならないのではなく、判断ができる状況を作るということが必要です。