
現場では「強烈な例外」が言い訳に使われることがあります。
とても印象残った出来事であるため、それがあたかもすべてのように感じてしまうケースです。
以前、例外を一般化しようというお話をしました。
当社が勝手に例外と思っていることでも、実は一般的なものであったという話でした。
「強烈な例外」はこの逆で、例外的な話を一般的なものと思い込んでいます。
「強烈な例外」は言い訳に使われることが多いです。
「以前にこのようなクレームがあったから止めた方がいい」
やらない理由や変えない理由でこうした意見を耳にしたことがないでしょうか。
しかし、以前というのはいつなのか、クレームは全体の何件あったのか。
ある会社では、以前がいつなのか確認してみると10年前のことでした。
別の会社では、対象顧客200件のうち、問題のクレームは1件でした。
10年前には厳しく要求されたことでも、今は状況が変わっているかもしれません。
実際この会社では、1回ダメもとで確認してみようとそのお客様に確認を取ったところ、問題なく了承されています。
大変お叱りを受けたクレームでも、200人のうちの1人です。
もちろん、声には出さなかった人もいると思いますが、それを考えてもほとんどの人には問題がなかったことです。
人間は印象に残ったことを、それがすべてであると勘違いすることがあります。
他の人はどうなのか、状況はあれから変わっていないか、そうした確認を行うことで、「強烈な例外」を防ぐことができます。