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【現場から第112回】投げっぱなしの診断報告書

 私の仕事には、他の専門家が作成した診断報告書をチェックするというものもあります。

 その中で、必ず指摘をするのが「投げっぱなしの診断報告書」です。

 

 いわゆる一般的な分析手法を解説し、「このような分析手法を用いて分析されてはどうですか」という内容です。

 分析手法の解説も含めてページ数が稼げるうえに、提案した気になれる表現ですが、これは論外だと思います

 

 まず、専門家として診断に行ったのだから「このような分析手法を用いて分析した結果・・・」とあるべきでしょう。

 分析手法を解説しに行くのが仕事ではなく、分析結果から何が言えるかという診断すらできていないのであれば、診断報告書とすら呼べません。

 

 とはいえ、このような分析をした方が良いができなかったというケースもあります。

 

 一つは、分析をするためのデータが揃っていないケース。

 もう一つは、案件の期間から分析をする時間が無いケース。

 

 この場合は、「このような分析手法を用いて分析されてはどうですか」という内容になります。

 ただし、この際にも診断先の会社が自社で分析できるように手順を示す必要があります

 

 このようにデータを収集し、このように分析しますという段取りまで伝えなければ提案とは呼べません。