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【現場から第102回】点で見ると判断を誤る

 1月下旬に訪問した会社で、12月の売上高が目標の80%で低調という報告を受けました。次の全体会議では、このことを従業員に伝えて発破をかけるとお聞きしました。

 

 しかし、このお話を聞いたとき私は腑に落ちませんでした

 それは次の二点が原因です。

 

 ①過去3年間の月次売上推移から見れば、この12月の数値は悪くない

 ②進行月である1月は好調に推移している

 

 まず、目標売上高の確認を行いました。

 すると、月次目標値は季節変動を加味せず、1年の目標数値を単純に12で割った値でした。

 商売には季節変動があります。

 売上が上がりやすい月と上がりにくい月を加味して目標を立てないと、

  

上がりやすい月には容易に目標を達成

  上がりにくい月には頑張っても達成できない

 

 という現象が生じやすくなります。

 

 この会社の場合、例年の売上水準とそう変わらないため、目標値そのものが不適切だったと言わざるを得ません。

 

 またこの会社、1月は好調に推移しています。

 せっかく頑張って目標値や例年以上の成果を上げている所に、12月が悪いと茶々を入れる必要はありません

 

 このように数字を点で見るのではなく、推移や状況を加味し多面的に見て判断することが必要です。