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【現場から第97回】人柄で採用してはいけない

 あるお客様で新しい事務員の募集を行ったところ、とても感じの良い方が来られました。

 

 非常に感じの良い方で、応対した従業員の方に聞いても、

 「あの人とだったら一緒に働きたいですね」

 とおっしゃっていました。

 

 しかし、この会社では採用試験として基本的な能力を確認するペーパーテストを行っているのですが、合格点10点に対し、この方は4点と不合格でした。

 

 社長は人柄が良いのでとても悩んでいましたが、私は不採用にしてくださいとお願いしました。

 

 理由は二つあります。

 ひとつは、人柄というのは短時間の付き合いでは判断できません。採用時に社長や従業員が良い人だと喜んでいたのに、3か月もすると化けの皮が剝がれる方をたくさん見ています

 

 また、本当に良い人だったとしても、会社は趣味のサークルではありません

 

 例えば、幼稚園の子をかわいらしいと思う人は多いと思います。

しかし、仕事をしている横にいてウロウロされたり、子供特有の質問攻めをされたりすると、うっとうしいと感じるでしょう。

 

 基本的な能力を問うテストで落第点の方なので、能力は並以下の可能性が高い。

 仕事で絡まない状態だから「人柄が良い」と言っていられますが、仕事ができなければ「一緒に働きたい」などとは言えないでしょう。