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【現場から第78回】劣っているから上回れる

 お客様にポスティング代行の会社があります。この会社様ではチラシを配布するためのアルバイトを雇用しています。

 

 体力勝負のお仕事ですので、主力は大学生です。

 多くの学生さんを活用してきた中で、見えてきた傾向があります。

 それがタイトルの「劣っているから上回れる」ということです。

 

 初めてバイトに来た学生さんのうち、1日の配布枚数が多いのは体育会系男子です。

 体育会系女子も優秀ですが、やはりパワーが違います。

 瞬発力とスタミナを活かしてダッシュでチラシを消化していきます。

 

 しかし、何か月かして慣れてくると、一部の体育会系女子に逆転されるようになってきます。

 男子の配布枚数が少なくなったわけではありません。むしろ慣れによって増えています

 それ以上に、一部の女子の配布枚数が劇的に増加していくためです。

 

 この原因はなんでしょうか。

 男子は持ち前の体力があるため、どうしてもそれに頼りがちです。

 そのため、配布枚数を増やす=体力でカバー(走る)という思考になります。

 しかし、人間の体力には限界がありますので、すぐに頭打ちになります。

 

 一方、女子はもともと体力勝負では男子に勝てないと思っています。

 そのため、ある程度慣れてくると体力以外で配布枚数を増やせないか工夫を始めます。

 作業をしやすい服装や小物を準備する。効率の良いルートを考える。作業効率を考えた動き方をする。こうした一つ一つの小さな工夫が重なり、配布枚数を劇的に増加させます。

 

 こうして、工夫を覚えた女子は、男子が必至に走り回っているのを横目に悠々と、しかし確実に配布ノルマをクリアして帰っていくわけです。

 

 

 ちなみに必ずしも男子の効率が悪いわけではなく、工夫して効率を高めている方もいます。この方々も、走り回っては勝てないということを理解されている方が多いです。