PDCAにおける最大の障害は、「人は変えたがらない」ということです。
人は同じ習慣の方が心地がよい。
こうした同じ習慣を変えたくないという意識が、計画の実行にあたって大きな障害となります。
人は習慣を持っています。
いつもの道を通って行き帰りするし、大体同じ時間に起きて、同じ時間にご飯を食べる。仕事のやり方もある程度決まった流れで行う。
意識的にも、無意識にも、人は同じ習慣で日々を過ごしています。
習慣のメリットは、二つあります。
まず、同じようにする方が楽です。とくに深く考えなくても自然と段取りができています。
もう一つは安心感です。
違うやり方をやって失敗したらと不安になることもありません。
習慣は、これまで培った知恵のかたまりです。
それを変えることは、意識して新しいことをしなければならない面倒くささと、変えた場合に上手くいくのかという不安が付きまといます。
とくに会社を含めた組織は、個々の習慣の集合体とも言えます。
各部署やポジションにはそれぞれの習慣が集まり、機能しています。
営業部には営業部の、製造部には製造部の、これまで蓄積してきた知恵を持っています。
人にしろ、組織にしろ、習慣を変えるというのは大ごとです。
面倒くささと不安が生じる。上手くいかないかもしれないのに、無理に変える必要なないのではないか。今のやり方でやっていればいいのではないか。
こうして変えない文化の会社ができます。
何か新しいことをしようとすると、もっともらしい理由をつけて、元に戻ろうという圧力が生じます。
そのため、習慣の定着にはある程度腰を据えて取り組む必要があります。
そうでなければ、元に戻そうという圧力に簡単に負けてしまうでしょう。