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【経営コラム第80回】習慣との戦い

 PDCAにおける最大の障害は、「人は変えたがらない」ということです。

 

人は同じ習慣の方が心地がよい。

こうした同じ習慣を変えたくないという意識が、計画の実行にあたって大きな障害となります。

 

人は習慣を持っています。

いつもの道を通って行き帰りするし、大体同じ時間に起きて、同じ時間にご飯を食べる。仕事のやり方もある程度決まった流れで行う。

意識的にも、無意識にも、人は同じ習慣で日々を過ごしています

 

習慣のメリットは、二つあります。

まず、同じようにする方が楽です。とくに深く考えなくても自然と段取りができています。

 

もう一つは安心感です。

違うやり方をやって失敗したらと不安になることもありません。

 

習慣は、これまで培った知恵のかたまりです。

それを変えることは、意識して新しいことをしなければならない面倒くささと、変えた場合に上手くいくのかという不安が付きまといます。

 

とくに会社を含めた組織は、個々の習慣の集合体とも言えます。

各部署やポジションにはそれぞれの習慣が集まり、機能しています。

営業部には営業部の、製造部には製造部の、これまで蓄積してきた知恵を持っています。

 

人にしろ、組織にしろ、習慣を変えるというのは大ごとです。

面倒くささと不安が生じる。上手くいかないかもしれないのに、無理に変える必要なないのではないか。今のやり方でやっていればいいのではないか。

 

こうして変えない文化の会社ができます。

何か新しいことをしようとすると、もっともらしい理由をつけて、元に戻ろうという圧力が生じます。

 

そのため、習慣の定着にはある程度腰を据えて取り組む必要があります。

そうでなければ、元に戻そうという圧力に簡単に負けてしまうでしょう。