コスト削減において、お客様に近いコストは一番後にすることが望ましいです。
理由は、コスト削減によって収益が一時的に改善しても、その後大きく悪化する危険性があるからです。
3つの費用のうち、収益的な費用はお客様と直接関係しており収益に貢献している費用です。お店のスタッフや材料、宣伝広告費など、お客様が直接見たり触れたりする機会が多いものです。
こうした費用を削減すると、お客様が感じる品質にすぐ影響する可能性が高い。
スタッフが少なくなって待たされることが多くなった。味が落ちた気がする。お店が汚くなった。そういえば最近あそこのチラシを見ていない。
収益的な費用は金額が大きいことが多く、すぐにコスト削減の対象となりやすいです。
しかし、考えなしに削減すればお客様の不満を感じさせることになります。
5名のスタッフで運営していた売り場を3名に減らしたところ、1,600円あった客単価が1,000円を切るまで低下しました。
接客がおろそかになって、ついで買いが減ったことが大きな原因でした。
このお店は売り場のレイアウトやレジ業務を工夫し、接客をもとの水準に戻したことで、客単価が回復しました。
このように、お客様に近いコストを削減するときには、お客様が感じる品質が下がらないような工夫が必要です。