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【経営コラム第73回】コストは100倍の売りに匹敵する

 業種業態によって異なりますが、一般的な中小企業の経常利益率が数%です。

ここで1万円のコスト削減を行ったとします。

コスト削減は直接利益増につながり、利益額が1万円増加することになります。

 

もし売上を上げて1万円の利益を増加させようとすれば、いくらの売上が必要でしょうか。

固定費もありますが、単純に考えれば経常利益率1%の会社で、100万円の売上を上げてようやく1万円の利益が出る。2%の会社なら50万円である。

たかが1万円だが、その利益を計上するには多くの売上が必要です。

 

ある製造業で、社長が交代したことを機に総勘定元帳を開いてコスト削減を行った。

消耗品や事務用品の発注先の見直しから、ほとんど使用されていない携帯電話や先代が付き合いで入っていた無用な保険の解約等、月額約10万円の削減となりました。

 

経常利益率が3%であったので、この削減は約300万円の売上に匹敵します。

 

 その後、この会社は総務部に備品購入先の定期的な見直しを実施させています。

売上高こそ作りませんが、コスト削減を通じて収益に貢献している。