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【経営コラム第72回】在庫はお金

 材料、部品、商品など、物を扱う商売で注意すべきは在庫です。

在庫は保管期間が長ければ長いほど、資金繰りに悪影響を及ぼします。

 

先にお金を払って購入し、売れるまで入金されません。

支払は早く、入金は遅いという、資金繰りの鉄則の逆パターンになります。

 

加えて、不良在庫や廃棄としてお金にならない危険性もあります。

地味ですが保管するための手間やコストも無視できないケースがあります。

 

厄介な在庫ですが、多くの会社でついつい増えがちなものでもあります。

お客様への対応力を高める、まとめて仕入れた方が安くて利益率に寄与する。

こうした理由で増えていくことが多いです。

 

お客様からの要望に対してスピーディに対応するために在庫が必要です。

このケースでは、まず納期を短縮するための努力をしたのかが大事です。

そうした努力なしに安易に在庫に頼ってしまうと、とてもリスキーな会社になります。

また、お客様対応を言い訳に発注の手間を省きたいという方もいます。

 

まとめて仕入れた方が安いので、在庫になります。

このケースでは、まず資金繰りへの影響はどうかを考えます。

続いて、まとめ買いによって得られる利益と、不良在庫や廃棄のリスクとのバランスを見なければいけません。

 

ある肉の加工食品を製造している会社では、若い購買担当者がまとめて買った方が安かったと、ある材料を1年分購入してしまいました。

 

目先の利益や手間だけではなく、長い目でバランスを考えて在庫を保有することが大事です。