材料、部品、商品など、物を扱う商売で注意すべきは在庫です。
在庫は保管期間が長ければ長いほど、資金繰りに悪影響を及ぼします。
先にお金を払って購入し、売れるまで入金されません。
支払は早く、入金は遅いという、資金繰りの鉄則の逆パターンになります。
加えて、不良在庫や廃棄としてお金にならない危険性もあります。
地味ですが保管するための手間やコストも無視できないケースがあります。
厄介な在庫ですが、多くの会社でついつい増えがちなものでもあります。
お客様への対応力を高める、まとめて仕入れた方が安くて利益率に寄与する。
こうした理由で増えていくことが多いです。
お客様からの要望に対してスピーディに対応するために在庫が必要です。
このケースでは、まず納期を短縮するための努力をしたのかが大事です。
そうした努力なしに安易に在庫に頼ってしまうと、とてもリスキーな会社になります。
また、お客様対応を言い訳に発注の手間を省きたいという方もいます。
まとめて仕入れた方が安いので、在庫になります。
このケースでは、まず資金繰りへの影響はどうかを考えます。
続いて、まとめ買いによって得られる利益と、不良在庫や廃棄のリスクとのバランスを見なければいけません。
ある肉の加工食品を製造している会社では、若い購買担当者がまとめて買った方が安かったと、ある材料を1年分購入してしまいました。
目先の利益や手間だけではなく、長い目でバランスを考えて在庫を保有することが大事です。