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【現場から第68回】「やらない」という選択肢を持つ人がいる

 様々な中小企業に入り込んで現場を見てきたなかで、思うことがあります。

 それは、「やらない」という選択肢をもつ人が存在するということです。

 若干ネガティブな話も含んでいますので、理想的な話が好きな方は読むことをお勧めしません

 中小零細企業の現実を冷静に知りたい方は、ご覧ください

 

 人材を見ていると、大きく3種類の方がいらっしゃいます。

 

一つ目が、自発的に考えてできる人です。

 多くの社長がこの種の人材を望みますが、こと20人以下の企業に関して言うとなかなかレアな存在です。

 もしいらっしゃるのなら大切になさってください。

 

 二つ目が、言われたらできる人です。

 多くの社長はこの人たちに物足りなさを感じています。が、中小企業においては言えばきちんとやってくれる人材というのも大事な存在です。

 というのは、こと20人以下の企業に関して言うと次の3種類目の人材が多いため、相対的にこの層でも貴重な戦力になるからです。

 

 三番目が、言われてもできない人です。

 この層は大きく二パターンに分かれます。そしてパターンによって対応の仕方を変える必要があります。

 

 一つは、純粋にできない人です。

 真面目なのですが、あることが非常に苦手という方です。

 例えば、どうしてもお客様とのコミュニケーションが取れない人。

 どうしてもケーキの箱が組み立てられない人。

 こういう方です。

 

 しかし、真面目さがあるので苦手な業務以外であれば、戦力になります。

 どうしてもお客様とのコミュニケーションは取れないが、雨の日でも風の日でも快く配達に行ってくれるというような方です。

 

 問題は二つ目のパターンの人です。

 この人は、「やらない」という選択肢をもつ人です。

 普通の方であれば、お給料をもらっているのに指示に対して「やらない」という考えはありません。(不満をもったり、状況によってはできないということはあります)

 しかし、この人たちは自分の意思で「やらない」のです。

 周りに迷惑をかけても、自分が楽なら何でもいいのです。

 

言われてもやらない。教えられてもやらない。怒られてもやらない。

 多くの現場では、このような人達に対して、社長や真面目な同僚が根負けして彼らの代わりにやってしまいます

 こうすると彼らの思うつぼです。

 まじめな方ほど、彼らを何とか動かそうとしますが、何年、何十年と何ともならないことの方が多いです。

 

 彼らに対して必要なことは、理解を求めることでも状況を改善してあげることでもありません

 説明しても理解しようという気がありません。理解しても自分の手を動かす気がありません。

 彼らの言う「できない理由」を解決しても、次の理由が次々と現れます。

 

 そうこうしているうちに、真面目な社長や同僚が疲れてしまって、組織がおかしくなります。

 

 彼らには毅然とした態度で臨まなければいけません

 業務命令であることを繰り返し伝える

 やらないことに対してペナルティを課す

 

 この人たちがのさばるということは、真面目な人が被害を受けている状態です。

 きちんと取り締まる必要があります。