4年程お付き合いのある会社の社長とお話していたときです。
この会社はコロナウイルス禍にありながら、ここ10年で最高の利益を達成。
決算処理をしながら事務の方とこんな話をしていたんですよと教えてくれました。
「5年前は利益が出せる状態になれるとは思ってもいなかった」
「一時期は仕入業者から、あんたのところは現金でないと売れないとも言われたっけ」
ここ3年で赤字から脱却し業績を向上させてきた会社ですが、決してその道のりは平たんなものではありませんでした。
ただ、愚直に改善に向けて前に進んできた結果が今日に表れていると思います。
この社長を第三者として見てきた私が言えることは、大きく次の二点を変えていったことです。
一つは「仕事の習慣」。
中長期的な目標を立てて、その達成のために今年何をするのかテーマを決めて挑戦してきました。
その結果を振り返り、次の年に活かしていく。いわゆるPDCAサイクルを少しずつ回していったことが大きいです。
それまでは先のことなど考えず、目の前にある仕事をこなしていました。先を見据えた行動を取ることで新しい顧客や事業の開発につながっています。
もう一つは「社長の役割」。
現在の社長の役割は、現場作業が1割、営業が5割、意思決定の仕事が3割というイメージです。
トップセールスで開拓するとともに、中長期を考えた施策の検討や検証活動を行っています。
しかし、過去は違いました。現場作業が8割。その他2割という状態で、社長ではなく作業者という状態でした。
この状態からの脱却を目指し、体制を整えていったことで新しい仕事を獲得するに至っています。
現在は、営業の5割も社長がすべき仕事と任せる仕事に分けて、意思決定の仕事割合を更に増やすべく検討を行っています。
今よりもよい経営状態を作るためには、仕事の習慣と社長の役割を変えていく必要があります。
同じ習慣、同じ役割では発展性がありません。