· 

【経営コラム第55回】感覚で会計を把握する

 

 今日から会計についてもう少し掘り下げていきたいと思います。

 社長に必要な会計では、管理会計についてお話ししました。

 

 ここでは、財務会計についてもお話ししていこうと思いますが、ひとつ大きな問題があります。

 それは、会計を解説していこうとするとどうしてもルールの話が多くなります

 

 しかし、ルールをお伝えしても、それを記憶したとしても、現実の経営で活かすことは難しいでしょう。

 

 世の中に、山ほど会計に関する本や、セミナーがあり、今なおも増え続けていることを考えてみてください。

 ルールや理論をなぞるだけでは、現場で相対する社長には難しいのではないかと思います。

 

 大変な思いをして借金を返してお金がないのに、なぜ税金がかかるのか。

 この問いにルールや論理で答えることはできるでしょう。

 

しかし、負債と費用の性質の違いとかを解説しても、腑に落ちるでしょうか。

 

社長は、ルールや理屈ではなく感覚で、苦しいのになぜ税金がかかるのかと感じています。

ですから、感覚でわかる回答が求められると思います。

 

私が知るこの問に対する回答で、最も腑に落ちたのが以下の解説です。

 

返済しているということは、借金をしてお金を受け取ったときがある。

もし、お金を受け取ったことを収入とみなされて税金をかけられたらどう思うか?

 

社長は、「それはおかしい。借りたのであって、もうかっていない。金が足りないから借金をしているのに、なぜ税金を取られなければならないのか」

 

 ということは、返すときにそれが費用になるのもおかしいよね。

 

 こうした社長の感覚に寄り添った解説を試みていきます。