コミュニケーションにおける理想は、「誰が正しいではなく、何が正しいか」ですが、現実世界は「誰が言うか」が非常に大事です。
同じことを同じトーンで話をしても、言う方が誰かによって印象が大きく異なります。
話し手と聞き手の信頼関係、立場の違いなどでとらえられ方は変わります。
また、当事者間では言いにくいことがたくさんあります。
まず、お互いに不満を表に出しにくいものです。
ずっと一緒に仕事をしていくわけですから、なかなか「こうしてくれよ」と言えないことがあります。
そうした不満を、間接的に第三者から客観的に指摘してもらうことも重要です。
また、部下からは「こんなことを先輩に聞いたら怒られるのではないか」という話もあります。
これも第三者、別の部署の方や社外の人間に聞いてもらうと簡単に解決できます。
後輩に聞かれたら、「そんなこと当然知っているだろ」と言いたくなる先輩も、部門外の人は素人だと分かっているので、知らないことに腹を立てる心配はありません。
場合によっては、社長が橋渡し役として先輩社員に質問してもいいでしょう。
そして、あとで後輩に伝えれば完了です。
ただ、先輩社員の教育スキルを高めることを考えれば、あとで種明かしをすることも必要です。
意外と先輩社員は、「後輩がそんなことを知らずに悩んでいたのか」と感じることが多いものです。