今回から、ユリウス・カエサルという人物についてお話しします。
ジュリアス・シーザーという名前で知っている方も多いかもしれません。
歴史に詳しくない方でも、なんとなく名前を聞いたことがあるような有名人です。
天才的な政治家かつ軍人で、新しい体制を構築する寸前で暗殺される。
日本では織田信長と似たような最後を遂げた方です。
ところで、私は経営者にとって「苦しいときにも前を向ける心」が大事だと思います。
人間も会社も良いときがあれば悪いときがあります。
良いときは良いのですが、悪いときになると途端にダメになる人や組織があります。
悪いときに悲観して自暴自棄になってしまう。
悪い原因を他人に求めて攻撃的になり、みんなから見放されてしまう。
悪い状況を直視できずに、現実逃避をしてしまう。
悪い状況にあきらめて、何もしなくなる。
その一方で、悪いときにも前を向いて対応していく人や組織があります。
カエサルという人物は、悪いときにも前を向ける人物でした。
そのキャリアは決して順風満帆というものではありません。
古い家柄ではありますが、祖先にこれという有名人はいません。
16歳のときには父親が亡くなり、家督を継ぐことになります。
18歳のときには独裁者・スッラに歯向かって国外逃亡を余儀なくされます。
反スッラ派の家に属していた妻と離婚しろという命令に逆らったからです。
23歳で身を立てようと弁護士として開業。
しかし上手くいかなかったばかりか、名前を売ろうとして大物政治家を告発しますが負けてしまいます。
これにより、再び国外逃亡という有様です。
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・ローマ人の物語（８）ーユリウス・カエサル ルビコン以前（上）（新潮文庫） 塩野七生著