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【経営コラム第43回】人は認められたい(3)

 

 前回は、マイナスの承認を求める問題社員のお話をしました。

 今回はその対応についてお話します。

 

 対応は、従業員への接し方の基本と同じです。

 つまり、相手を変えようとするのではなく、こちらの接し方を変えるのです。

 

 マイナスの承認を求める社員の心の問題は根深いものです。

 プロの専門家でなければ対応することは困難ですし、危険です。

 下手をすれば、気が付いたら自分が心の病を抱えてしまった、なんてことにもなりかねません。

 

 私たち素人にできることは、本人が変わるきっかけが作れるよう、接し方を変えることだけです。

 

 プラスの承認を与え続ける。

マイナスの承認を引き出そうとする問題行動に付き合わない。

 これだけです。

 

 とはいえ、重症な問題社員はこの程度でどうこうできる相手で

はありません。

 その場合に重要なことが「淡々と接する」です。

 

 そうですね、でもこうしてくださいね。

 わかりました、ではこの話は終わりですね。

 

 ポイントは、相手の挑発や意見に対して、あれこれ反応しないことです。

 反応をするとそこからまた挑発が始まります。

 

 最終的にマイナスの承認を引き出すまで繰り返されるのです。

 

 同じリングに上がったプレイヤーとして接するのではなく、審判として接するわけです。

 もう試合は終了しましたと宣言することです。

 

 これを繰り返すと、マイナスの承認を求めることをあきらめるか、もっとひどくなります。

 しかし、たとえひどくなっても、審判としての立ち位置をキープしてください。

 欲求が満たされないことで最終的に、マイナスの承認を求めて別の組織やグループに旅立つことになります。