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【経営コラム第42回】人は認められたい(2)

 

 業績が良くない会社を多く見てきましたが、そこには大抵、問題社員と言われる方がいます。

 会社の方や取引先に聞くと、「ああ、○○さんね・・・」と意味深な反応をしてくれます。

 

 こうした問題社員の多くは、自分から周りに悪印象を与えるような言動を頻繁に行います。声を荒げたり、ルールを無視したり、遅刻したりと何かとトラブルを起こします。

 

 これがマイナスの承認を求めている状態です。

 

 たまたま相手と馬が合わなかった、特定のグループに馴染めなかった、ということであればまだいいのですが、どこへ行ってもトラブルが起きる人がいます。

 

 なぜマイナスの承認を求めるのかは前回お話しした通りです。

 自分の存在を認めてほしいという思いが、意識的にも無意識にも言動に表れているのです。

 

 でも普通の人は、こう思うのではないでしょうか。

 認めてほしいなら、プラスの方向で認められるように努力すればいいのに。

 

 これはとても難しい問題です。

 本人のこれまでの人生経験から、プラスの承認を受けることに慣れていない、あるいはプラスの承認に対して懐疑的である可能性があるからです。

 

 そのため、プラスの承認を受けても「本当か?」という疑念を持つ方がいます。

 人によっては、せっかくプラスの承認を与えてくれる人に対して、意地悪な言動を行い、相手を怒らせます。

 

 そして、「ほら、やっぱり私のことをマイナスに見ているんだ」と思うわけです。

 

 こうした悪意あるコミュニケーションが社内に充満すると、上手くいくことも上手くいかなくなります。