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【歴史に学ぶ第37回】過去の成功が足を引っ張る

  

 若い頃はバリバリと仕事をこなし、会社に大きな貢献をした人物が、年をとって足を引っ張ることがあります 

 

 時代が変わっているのに昔の常識を引っ張り出して現場を混乱させる方。

 若い方が功績をあげることを嫉妬し、何かと邪魔をしようとする方。

  

 様々な方がいますが、よくよく話を聞いてみると、

 成功者としてのプライド。

 自分の成功体験に対する固執。

 環境変化に対する認識の不足。

 自分の権限や権利が脅かされるのではないかという不安。

  

 そうした過去の成功が、そのような行動を引き起こすようです

  

 ハンニバルとの戦いでローマを勝利に導いた元老院体制は、この辺りから精彩を欠くようになります

 失業対策は骨抜きにされ、事実上放置されるようになりました。

  

 問題は内政だけにとどまりません。

 

 ローマ軍団は市民で構成されていました。

 市民の生活がおぼつかなければ、軍団の弱体化は避けられません。

 各地で無様に負けるようになります。

   

 しかし、元老院は適切な対応ができません。

 これ以降体制の名前はどうであれ、一人の権力者が主役となる時代に変わっていきます。

 

  

   

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ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上) (新潮文庫) 塩野七生著