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【歴史に学ぶ第36回】正論だけでは変革できない

  

 仕事でも私生活でも言っていることは正しいけど、周りの人が耳を傾けてくれないことがよくあります。

 論理的には正しくても、人間社会で正しいとは限りません

  

 「最近、仕事に身が入っていないんじゃないか?」

 

仕事ができて、何かと周りにも気を掛けてくれるA先輩に言われれば素直に受け入れるかもしれません。

  

しかし、同じことをサボりがちなB先輩から言われれば、

 

「お前がだろ」

 と言いたくなるでしょう。

  

このように、人間社会では誰が言うかの方が重要だったりします。

 そのため、言うことを聞いてもらえるような努力が必要です。

 

 地位、実績、状況、関係性、誰が言うか、表現、話の順序・・・

 必要なものを準備せずに、話を聞いてくれないといっていても上手くいきません

 

 カルタゴを下して超大国となったローマでしたが、戦後に貧富の格差が拡大します。

 資産家は、ローマ経済圏の拡大によるビジネスチャンスを活用し資産を増やしていきます。

 

 一般人は、もともと農業で生計を立てていましたがローマ経済圏に入ったシチリア等から安い作物が入ってきて大打撃を受けてしまいます。

 資産家が運営する大規模農園とも価格競争に陥り壊滅。

 

 ローマは失業者であふれかえります

 

 こうした状況を打開しようとした貴族・グラックス兄弟は救済のための改革を推し進めようとします

 しかし、反対派の反発にあって最終的には彼らの支援者と共に殺害されてしまいます。

 

 

  

   

(参考図書) 持ち運びしやすい文庫版がお勧めです。

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ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上) (新潮文庫) 塩野七生著