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【経営コラム第35回】愛社精神は育てるもの

   

 経営者目線と並んで多い問題が、従業員の愛社精神です。

 愛社精神は押し付けるものではなく育てるものです。

  

 会社=社長ですから、社長はなんやかんやで会社に愛着を持っている方が多いです。

 

 もしかすると会社を無条件で愛すことができるのは社長しかいないのかもしれません。

 しかし、従業員は違います

 

 生活のため、スキルアップのため、色々な理由はありますが、従業員は従業員で働くことに対する目的を持ち、その手段として数ある選択肢の中から当社を選んだにすぎません 

 

 私見ですが、会社の状態がおかしくなってくると従業員に根拠のない愛社精神を求める方が多いように思えます。

 経営への焦りが、そのような行動に駆り立てるのでしょう。

  

 しかし、それを受ける従業員にとって良い効果があるとはとても思えません。

   

 特に親しくもない同僚から、「お前は、僕のことが好きだよな」と迫られるようなものです。 

 

 愛されたいのであれば、愛されるような会社にしなければなりません

 日頃から愛されるような接し方をしていかなければなりません。

 相手を変えることはできませんが、相手に対する自分の接し方は変えることができます

  

 若い頃に先輩方に育ててもらった、難しい仕事を任せてもらえてとても良い経験をさせてもらった、家庭の事情で大変な時期に親身になって守ってくれた。

   

 そうした様々な取り組みが心に響き、会社に愛着を持ってくれる従業員が出てくるのです。

 順番を逆に考えないで下さい。