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【経営コラム第29回】始めることと消化したことのバランス

   

 新規事業に限らず、成功の大敵は「やりっぱなし」です。

 とくにエネルギッシュな社長は、次々と新しいことを思い付き、それにチャレンジしようとします。

 

 この新しいことに取り組むこと自体は、とても良いことです。

 しかし、それが会社のステップアップにつながらなければ意味がありません

 

 新しい商品を開発した、新しい社内制度を導入した。

 そうした取り組んだことで満足するケースが非常に多い。

 

 では、その新しいことが会社にどのような影響を及ぼしたのかと聞くと、特に変わりはないというのがほとんどです。

 

 こうしたステップアップにつながらない大きな原因が「やりっぱなし」です。

 失敗を振り返り、活かすことができていない。

 そのため、同じ失敗を繰り返してしまうのです。

 

 新しく始めることと、消化したことのバランスを考える必要があります。

 消化したとは、始めたことについてその是非を判断できる状態です。

 

 いつの間にか始まって、気が付いたらやらなくなっていた。

 ではなく、やるやらないの判断ができる状態まで取り組み、その振り返りを行ったうえで、引き続きやる、もうやらない、と明確に判断することが必要です。

 

 新しいことを始めようと考えたときには、これまでの取組みが消化されているかを考えて、取り組むことの優先順位を決めてください。