計画を立てるときに徹底的に調べて精度を高めたいという社長がいます。
ある程度の精度は必要ですが、現実は分からないことが多いので動きながら修正していく方が結果的に上手くいきます。
予測の精度にはどうしても限界があるので、環境に対応していく力の方が重要です。
偶然の事故を発端にイタリア半島を統一したローマ。そのわずか6年後に再び難題が降りかかります。
前回もそうでしたが、今回も「そこまでの事態にはならないだろう・・・」と考えたことが大ごとになります。
やはり未来の予測は難しいものです。
しかし、ローマの強さは先を読み違えてもその環境に適応していくことだと思います。
海を隔てて隣り合うシチリア島にあるメッシーナから救援の要請が来ます。当時のメッシーナはシチリア島の強国シラクサの侵攻を受けていました。
ローマは、メッシーナとは同盟関係にありません。加えて、陸軍国ローマは一度も海を渡ったことがないのです。義理も無く、陸軍という強みも生きない状態です。
ただ、断ればメッシーナはカルタゴという別の強国に頼るでしょう。
ローマの守りを考えれば、すぐ隣のメッシーナをシラクサやカルタゴに渡さないことが重要。ということで、救援要請に応じました。
「シラクサを抑えてメッシーナをローマ派にしておこう」と始めた話だったのですが・・・
この出来事が第一次だけで23年、最終的に130年にもわたるカルタゴとの対決のきっかけとなります。
決めたとならば動きが早いローマは、早速メッシーナの支援に乗り出します。
ローマ軍はシラクサ軍を撃退し、シラクサの自治を認めた同盟関係を構築することになります。
この動きに脅威を感じたのがカルタゴです。
(参考図書) 持ち運びしやすい文庫版がお勧めです。
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・ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) (新潮文庫) 塩野七生著