· 

【現場から第24回】持続力を付ける⑧

  

【続けるための工夫】

 ①まずは続いていることを成果とする

 ②記録を付ける

 ③無理・無茶は続かない

 ④完璧を目指さない

 ⑤救済ルールを作る

 ⑥人を巻き込む

 ⑦言われ続ける状況を作る

 ⑧ひとつのことに集中しない

 ⑨止めることを決める

 

 

 

 八つ目は、⑧ひとつのことに集中しないです。熱しやすく冷めやすい人にとって、次から次へと興味を引くものが現れる中で、何かひとつのことだけに集中するのは苦痛を伴います。

 そのため、ある程度やることを同時並行で進めていく方が良いでしょう。同時並行の効果は二つあります。

 

 ひとつは飽き対策です。その時期の興味によって取組みに対する熱意が変わります。ひとつのことだけに集中していては、興味が薄れた時期に取り組むモチベーションが無くなり、止めてしまう可能性があります。

 

 そこで複数の取組みを同時並行で進めます。基本的には同じ熱量で進めていきますが、興味が薄れた取組みについては最低限クリアするノルマだけクリアし、勢いのある取組みについてはどんどん先に進める。興味が薄れたことでも少しずつ進めていれば状況が変わり、また興味が湧いてくることがあります。

 

 もう一つは、バックアッププランとしての効果です。外部の状況によって取組みが継続できなくなることがあります。ある取引先に向けた営業作戦を展開していたが、突然その取引先が事業展開をがらっと変えてしまった等です。

 こうしたとき、ひとつの取組みだけでなく複数の取組みを行っていれば、すぐに別の取組みに注力すれば良いわけです。

 

 最後に⑨止めることを決めるです。複数の取組みを同時並行で進めるといっても、多すぎてはどれも形になりません。自分やチーム、会社のキャパシティを考えて、同時に取組む数に制限を付けておくことです。

 

 もし何か新しい取組みを思い付いたら、制限数を超えていないか確認します。超えているようであれば、何かを止めなければなりません。

 

 また、これは新しい取組みだけに限りません。今やっていること。昔からやっていることでも必要であれば止めることを決めなければいけません

 

 中小企業は、何かを始める決断はたくさんします。しかし、何かを止める決断はほとんどしません。そのため、やることが増えていき煩雑になりがちです。

 

 何かを始めるなら何かを止める。これも新しい取組みを継続する秘訣です。