独裁者と言われるなど何かと批判の多いワンマン体制ですが、上手くいけばスピード感をもって改革を進めることが出来ます。ローマが視察に行ったアテネは独裁制で成功していました。
アテネの歴史もローマと同じく様々な政治体制を経ています。
王政から貴族性へ、続いて生まれではなく収入の大小が権力を決める資産政、そして独裁制へ。
誤解を恐れずに言いますと、独裁制自体は世間一般的に言われるデメリットがある一方で、強力な独裁者の決定で国を迅速に動かすことができます。
後にアテネが衰退期になったとき、有名なアレクサンドロス大王の父親がアテネの強力なライバルとなります。
アテネの政治家はこう言い残しています。
アテネは議会で長い日数を費やして、意味ない議論を繰り返すだけだ。いつもその間にチャンスが失われてしまう。
それに比べて敵はどうだ。こうと思ったことは機会を逃さず命令して実行する独裁権力をもち、育成した軍隊を自由自在に動かしている。
集団で決めることのデメリットと、トップダウン型組織のメリットがここにあります。
時代を戻します。
アテネの独裁者は、アテネに平和と秩序を与えただけでなく、経済面では空前の繁栄をもたらします。
一方、独裁制は一人の才能に左右されます。良い人がトップになれば良くなりますが、悪い人がなれば悪くなります。
(参考図書) 持ち運びしやすい文庫版がお勧めです。
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・ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) (新潮文庫) 塩野七生著