計算してみるとローマだけで5年以上かかりそうなので、更新頻度を週2回にすることにしました。これで来年くらいには別のテーマに移ることができると思います。
第二回目もローマ創業者のお話です。主人公はロムルスという人です。
あぶれ者の集団も定職を見つけ、組織体制も整えてようやく国らしくなってきました。
安定してくると、将来に対して希望を持ち始めます。
そこで行われたのが「サビーニ族の女たちの強奪」
サビーニ族から若い女性をさらってきます。生活も安定してきたし次は家庭を持ちたいという思いでしょうか。
もちろん、古代においては人口が国力を大きく左右するので、今後のことを考えれば次世代を増やしておきたいところです。
もちろん、サビーニ族は怒って女性を取り返しにきます。いつもローマが優勢だったそうですが、その戦いは四回にも及びました。
四回目の戦い、戦闘の最中に奪われていた女たちが間に入り、戦いを止めるよう懇願します。ローマ人は女たちをさらいはしましたが、妻として丁寧な扱いを受けていたようです。
「自分達の親兄弟と愛する夫が戦うのはつらい」という女たちの思いを受けて、双方和解することにしました。
優勢だったローマは、敗者サビーニに一緒にならないかと持ち掛けます。
しかも、王はロムルスとサビーニ王の共同統治、サビーニの長老は元老院へ、サビーニ族はローマ市民権を得るという破格の条件です。
今でいえば、対等なM&Aです。合併した企業の中には、何年も何十年も旧会社という派閥を持ち、それで出世等が左右されるという組織もあるようですが、ローマは対等合併を選びました。
これにより、ローマの戦力は一気に増強されました。子孫を増やすよりも手っ取り早く明日から使える労力を増強できたのです。
ロムルス37年の治世は戦いに明け暮れました。サビーニ王は早々に戦死しましたが、領土を拡大していきました。
サビーニ王の死後に王を補充しなかったのは、最高責任者が二人いる弊害を感じていたのかもしれません。また、王が亡くなったサビーニ族も分裂しませんでした。対等合併によりサビーニ族にも愛国心が出ていたのでしょうか。
この対等なM&Aはローマの伝統になっていきます。
(参考図書) 持ち運びしやすい文庫版がお勧めです。
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・ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫) 塩野七生著