理想は素晴らしいが、商売として成り立っていない会社にお会いすることがあります。
彼らの最大の欠点は、理想至上主義です。
「利益を残す」という根本的なことが軽視されています。
とても高い志と理想を掲げて真摯にお客様に接している。
お客様から感謝され、従業員からも賛同を得ている。
そんな会社ですが、数字は赤字続きでお金も底をつきかけている。
取り組みも素晴らしいものばかりです。
お客様がより喜ぶ良いサービスは何か。
お客様のために、従業員一人一人が最善を尽くすにはどうするのか。
従業員が働きやすい環境は何なのか。
確かにひとつひとつは間違っていません。
ただ、根本的なところで「いかに利益を残すか」という観点がまるで欠けています。
(利益を度外視して)お客様がより喜ぶ良いサービスは何か。
お客様のために、(利益を度外視して)従業員一人一人が最善を尽くすにはどうするのか。
従業員が(利益を度外視して)働きやすい環境は何なのか。
利益を度外視すればいくらでも素晴らしいものを、素晴らしく安い価格で提供できるので、お客様は喜びます。
利益を度外視すればいくらでも働きやすい環境を整えることができます。
しかし、長くは続きません。
そして続かなければ、お客様に迷惑を掛けます。従業員に迷惑を掛けます。
大切なお客様や従業員のためにも、当社は続かなければなりません。
そして続けるためには、何としても利益を上げてお金を回していかなければなりません。
そのため、理想を掲げつつも、その実現より前に経営を安定させることが重要です。