社長は会社に関する物事を決める重要な仕事をしています。
決定については、プロセスは民主主義、決定はトップダウンであることが望ましいです。
決定のプロセスは従業員や外部の意見を広く集めて参考にする民主主義的なやり方で進めていきます。
みんなで話し合って考えることは、従業員の参加意識を高める意味でも大事です。
一方、決定権を持つ人間は限られた人にした方が良いでしょう。
中小企業の最大の武器は機動力です。この機動力を活かすうえで、話し合いが仇となることがあります。
経営においては時間がカギを握るシーンが必ずあります。
いちいちみんなを集めて議論をしている暇はない。もたもたしていれば致命的になることがあります。
加えて、どんなに仲の良い友人や家族でも意見が対立することがあります。
上手くいっているときには出なかったいざこざが、悪い状態になって噴出することがあります。
小学校からの仲の良い幼馴染が二人で会社を立ち上げたが、会社の業績が下降傾向になると、二人の意見が対立することが多くなりました。
言い合いをする時間が増え、ついにお互いに顔も見たくないという状態になってしまった。
一方で業績はどんどん悪化し、重要な経営判断を迫られる場面が増えていきます。
しかし、経営権を持っている二人の話し合いができないため、何も決めることができない。
ついには「あいつが賛成なら私は反対だ」というような感情論にまで発展してしまいました。
このようなケースは決して他人事ではありません。
意思決定までのプロセスはみんなで考えても、決定は社長が責任をもって行う体制が必要です。